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スキャンするレーダー画面のアニメーションを表現するには

https://www.youtube.com/watch?v=Pyu2Mt0nohM

今回はサンプルシーンのようにスキャンするレーダー画面のアニメーションの表現方法を解説します。

まずは新規シーンからレーダーの土台となるメッシュを用意します。今回は簡単にバッシングキットからサンプルモデルを用意します。バッシングキット はモデルライブラリであり、宇宙船や工業製品など構成する様々なパーツがそろえられています。今回はその中からレーダー画面のベースとなるモデルを使用してみます。

スキャンを表すレーダー画面は、もう一つ別のメッシュを用意します。新たに空のメッシュレイヤーを一つ作成したら、レーダー画面の上に同じサイズの円を作成します。ここで重要となるのが、円形を作成するのに、円柱ツールなどを使うのではなく、回転体を用いて作成された円形のモデルを使うようにします。これは回転体を使うことで、後からそれによって作成されたUVを使うようにするためです。

では土台となるレーダー画面の半径となる頂点を一つ選択しコピーしたら、空のメッシュレイヤーへと貼り付けます。新たに原点に頂点を一つ作ったら、この二つの頂点が同じ高さになるよう調整し、ショートカットキーPでラインポリゴンを作ります。

ここからこのラインポリゴンを回転体ツールを使ってぐるっと360度円形となるよう複製しますが、そのまま回転体を使うと、原点のところで穴がふさがる形になるので、ほんの少し原点から離して、回転体ツールをかけた後に穴が開くようにしてみます。では複製タブから回転体ツールを起動し、カウントを96、中心を原点に設定します。回転体ツールでポリゴンが作成されました。ポリゴンが反転しているようであれば、ショートカットキーFで反転させておきます。

ではこの状態でUVを確認してみると、ある程度自動で生成されているかもしれませんが、回転体ツールの挙動によって、それほどきれいに展開されていない場合もあります。今回は、回転体で作ったらこういった円形の形状のUVをきれいに開く方法をご紹介します。

いったんUVは値を消去し、クリアな状態にします。回転体で始端と終端はぴったりと合わさっていますので、いったんこのぴったりとあったエッジを分割して連続性をなくします。一つのエッジが二つのエッジに分割された状態で、二つのエッジを選択し、ピーラーボタンをクリックします。UVのピーラーツールは、皮をむくように、指定したエッジをもとにメッシュのジオメトリを展開していくツールです。今、2本のエッジを選択していますので、ここをUVの端と端となるよう、UVが開かれます。メッシュの形状に合わせて開かれるため、三角形になっていると思いますが、その場合には均一化の値を100%にすると、ぴったりUVが矩形に開かれるようになります。ここまできれいに展開できたら、先ほど分割しておいたエッジは元に戻します。2本のエッジを選択している状態で、今度はエッジタブから融合ボタンをクリックし、1本のエッジへと戻します。

さらに時計回りにエッジを選択していったら、UVのUの値が0から1へと変化していってほしいので、もしその向きが逆になっているようであれば、U方向に反転させておきます。

UVの準備が整ったら、最後に回転体ツールを適用する際、原点付近でオフセットしておいたために穴が開いているはずですので、この部分の頂点を選択し、スケールツールで穴を塞ぐようにしておきます。ただし頂点自体を結合してしまうと、せっかく作ったUV情報が使えなくなってしまうので、頂点の結合は行わないようにしてください。

ここまで設定できたら、今度はマテリアルの設定を行います。ここからはプレビューウィンドウで確認しながら、操作を行っていきます。まずは適切なマテリアル名称を付けたら、グラディエントを追加します。レイヤー追加処理 Gradientを追加します。テクスチャレイヤーからグラディエントの設定を行ってみましょう。グラディエントがどのようにかかるのかを確認するため、まずはグラディエントの色を設定してみます。

グラディエントの色で赤から緑に変化するグラディエントを設定します。デフォルトでは入力パラメータが入射になっていますが、これが先ほど作成したUVにそってグラディエントが現れるように、プロジェクションのタイプUVに設定し、UVマップを指定したら、入力パラメータサンプルパラメータ テクスチャ Uに設定します。そうすると、時計回りに赤から緑に色が変化してついているのがわかります。これが基本となるグラディエントの設定ですので、これを利用してレーダーを表現します。

レーダーを表現するには、色の設定ではなく、を設定しますので、同じように値1.0から0.0に変化するグラディエントを設定してみます。エフェクトはディフューズの色になっていますので、のグラディエントを設定しても何の影響も及ぼしません。今回はこの値のグラディエントで、レーダー画面の透過具合をコントロールするようにしましょう。マテリアルを選択し、マテリアル(透過)タブからルミナンス輝度を1、 ルミナンスの色をレーダー画面に合うような緑色に設定し、発光するような表現に変えておきます。グラディエントのテクスチャはエフェクトをディフューズの色からディゾルブへと変更します。後はグラフ編集で適切なレーダーが表現できるよう、グラディエントのキーを調整します。

さらにレーダー画面に他の模様が浮かび上がるよう、テクスチャを張り付けてみましょう。プリセットからMODOのロゴ画像を設定しておきます。そうすると、レーダーがスキャンされているところだけにロゴ画像が浮かび上がるようになります。

このスキャン部分が時計回りに回転するようにしたいのですが、メッシュそのものを回転させてしまうと、ロゴ画像も回転してしまい、うまく表現できません。こういった場合には、UVのアニメーションを活用します。Gradientレイヤーを選択し、テクスチャロケータタブから画像UDIM使用のオプションをオフにし、Uタイルオフセットの値を調整してみます。そうすると、Uの値にオフセットが加算されることで、グラディエントの開始位置が変わってきます。この値をアニメーションさせることで、レーダーのアニメーション表現が可能になります。

2020年7月10日