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13.2で新たに搭載された平面IKの使い方

https://www.youtube.com/watch?v=LI1YpmHabFg

Modoバージョン13.2では、新たなIKシステムである平面IK(プラナーIK)が追加されました。従来のIKシステムより、さらにコントロールしやすく、また実現できる機能も拡張されています。

この新たな平面IKは、Modoレイアウトにあるセットアップパレットから利用することになります。バージョン13.2の時点においては、セットアップレイアウトのセットアップパレットからは呼び出せませんので、ご注意ください。

ではModoレイアウト上でまずは2本のスケルトンを組んでみます。セットアップパレットのセットアップタブからスケルトンツールを起動し、スケルトンを2本作成します。セットアップモードへと入り、インバースキネマティクスサブタブへと切り替えます。IKを組みたい場合、従来であれば、IKのルートとなるスケルトンを選択した後で、IK組み込みのボタンをクリックし、ゴール追加ボタンをクリックして、IKを組んでいました。

新たな平面IKの場合は、スケルトンをすべて選択した状態で、平面IKカテゴリにあるIK組み込みボタンをクリックします。そうすると自動的にゴールアイテムまで作成されるようになります。セットアップモードを抜けてゴールアイテムを動かしてみると、実際にIKが設定されているのが確認できます。

では、従来のIKより拡張されている部分を、平面IKのプロパティから見ていきます。平面IKのタブにあるソフトプロパティは、ゴールアイテムへのスナッピングの微調整に使用することができます。従来であれば、スケルトンはゴールアイテムにピッタリとスナッピングしており、ゴールアイテムが離れる場合もきっちりと追従していきます。この追従具合を微調整するのがソフトプロパティです。この値を10%程度に設定してみると、ゴールアイテムが離れる場合に、きっちりと追従するのではなく、緩やかに追従していくようになるのが確認できます。

ソフトの上にあるグローバル方向を調整すると、IK階層のスケルトン全体を回転させることができます。

さらに面白い機能としてスケール機能があります。従来であれば、ゴールアイテムが離れたら、スケルトンは本来のサイズを超えてゴールに追従することはありませんが、スケール係数を100%に設定すると、2本のスケルトンはゴールアイテムの位置にかならず一致するよう、自身の大きさを変化させます。基本量が0%の場合は2本目のスケルトンが、逆に終端量が0%の場合は1本めのスケルトンのみがスケールを変えることになります。

また、新しいIKではFKで調整しなおした位置を、そのまま適用することができます。例えば、スケルトンを組み込むもととなるメッシュの形状が変更されるなどして、スケルトンのセットアップ位置を調整し直す必要が出てきたとします。そのような場合は、まずセットアップモードへと入り、ブレンドの値を0%へと変更します。これはIKの影響を受けない、FK(フォワードキネマティクス)のみの位置となります。スケルトンを選択し、もう一度スケルトンツールを起動すると、スケルトンの位置を編集できるようになりますので、適当に位置を変更してみます。ゴールの位置とスケルトンの末端ジョイントの位置が変わってきた場合には、その2つを選択し、セットアップサブタブにある位置を一致ボタンをクリックします。

ここまで設定したら、ブレンドを100%にしてIKに切り替えます。そうすると、IKの演算が行われるため、FKで指定した位置とはずれてきてしまいます。これをFKで設定した状態がそのままIKの静止状態となるよう、FKからソルバーをリセットボタンをクリックします。そうすると、調整しておいたFKの位置がそのままIKでも反映されるようになり、いつでもIK位置の設定が可能となります。

ここでは2本のスケルトンで解説しましたが、これは3本のスケルトンでも同様です。よくあるのが手足を構成をする3本のスケルトンを組んで確認してみましょう。2本のときと同様、設定は極めて簡単です。スケルトンをすべて選択した状態でセットアップモードに入ったら、インバースキネマティクスのタブからIK組み込みのボタンをクリックするだけです。これでゴールアイテムまで自動的に生成されるようになります。

また設定するプロパティも先程の2本バージョンとほぼ変わりがありません。ただし3本の場合は、例えばジョイントが股関節、膝、かかと、足先に存在しており、ゴールアイテムはこの足先につけられるようになります。角度バイアスの値を調整すれば、リバースフットリグのようにつま先を基点としてかかとにかけて回転をかけることができます。

グローバル方向の値は、先程の2本バージョンと基本的には同じで階層全体を回転させますが、足でいうと太股からかかと部分にかけてを回転させたい場合には上方方向、スネからつま先にかけてを回転させたい場合には、下方方向の値を調整します。

またスケール係数についても、2本バージョンと変わりはありませんが、こちらも1本めを基本量、2本目を中間量、3本目を終端量のプロパティで調整します。

このように従来のIKに加え、バージョン13.2からはさらに新しく柔軟なコントロールが可能なIKシステムが搭載されています。

2019年11月21日